GLOSSARY / 性能・物理
VFT(可変肉厚)
Variable Face Thicknessフェースの厚みを場所によって変える設計。中央を薄く、周辺を厚くする。
フェースの中央を約2mmまで薄く、外周を厚く設計することで、打球時に中央が大きく撓み、周辺は割れない。スイートスポット内ではCOR(反発係数)を高め、トウ・ヒール側でも反発を確保するという設計上の考え方に基づいている。
成立には1,500MPa以上の高強度フェース材が必須で、マレージング鋼が定番採用される。普通の鋼で2mm薄肉化すると数百球で疲労破壊する。
ディスタンス系アイアンでは、このVFTが高初速・広い反発エリアの主要な設計要因のひとつとされている。ただし飛距離はシャフト・スイング・重心設計などの組み合わせで決まるものであり、VFTのみで結果が決まるわけではない。
なお、VFT(Variable Face Thickness)という名称はTaylorMadeが使用する技術呼称であり、他のメーカーは類似の可変肉厚設計を別の名称で呼ぶことがある。
RELATED TERMS ─ 関連用語
COR(反発係数)
ボールが衝突して跳ね返る勢いを、衝突前の勢いで割った数値。1に近いほど反発が大きい。
打ち出し角
インパクト直後にボールが水平面から飛び出す角度(単位:度)。カタログ表記のロフト角(スタティックロフト)とは異なり、実際のインパクト時のダイナミックロフト・アタックアングル・シャフト挙動によって変わる。
スピン量
ボールの回転速度(単位:RPM=毎分回転数)。主にバックスピン量として扱われる。ドライバー・アイアン・ウェッジで求められるスピン量は大きく異なり、単純に多い・少ないで良し悪しは決まらない。
ミート率
ボール初速 ÷ ヘッドスピードで求める比率。日本語では「ミート率」と呼ばれることが多い。1.5という値はCOR規制の結果として理論上の上限になるが、smash factor自体に直接の規定値はない。
ボール初速
インパクト直後にボールが飛び出す速度(単位:m/s)。スマッシュファクター(ミート率)の分子にあたり、飛距離と関係する計測値のひとつ。高ければ必ず飛ぶわけではなく、打ち出し角・スピン量との組み合わせで弾道全体が決まる。
適合クラブ
R&AとUSGAが定めるEquipment Rules(用具規則)の基準を満たしたゴルフクラブのこと。適合クラブであることは、すべての競技で常に使用できることを自動的に意味するわけではなく、競技によってローカルルールが追加される場合がある。非適合クラブは競技使用時にペナルティの対象となる場合があるが、練習やカジュアルなラウンドではペナルティは発生しない。
フェース素材
ゴルフクラブのフェース部分に使われる素材全般。チタン系・ステンレス系・マレージング鋼・複合材系など複数の素材カテゴリがあり、強度・重量・加工性・コストの特性がそれぞれ異なる。素材が変わると設計の選択肢が変わるが、素材単独でパフォーマンスが決まるわけではない。
スプリングライクエフェクト
ゴルフクラブのフェースがインパクト時にばねのように撓み、弾き返す現象を指す概念。R&AとUSGAの用具規則(Equipment Rules)はこの現象に関して規制を設けており、その評価には別途定められた測定・判定の概念が用いられる。
CT値(特性時間)
ゴルフクラブのフェースとボールの接触時間を測定し、反発性能の適合判定に用いられる概念。R&AとUSGAの用具規則(Equipment Rules)はCT値の適合基準を定めており、基本上限値239マイクロ秒に測定許容差18マイクロ秒が設けられている。この数値は性能の推奨値や目標値ではなく、適合判定上の上限である。
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