GLOSSARY / クラブ構造
中空構造
Hollow Structureヘッド内部に空洞(キャビティ)を持たせた構造。フェースを薄くしてたわみを大きくしつつ、余剰重量を周辺に配置して高MOIと高初速を両立する設計手法。
中空構造とは、アイアン・ハイブリッド・ウッドなどのヘッド内部を空洞にした設計のことを指す。外観は一般的なブレードやキャビティバックアイアンに近い形状でも、内部が2ピース以上の部品を溶接・接合して空洞を作り出している場合が「中空構造」にあたる。代表的なカテゴリとして、テーラーメイドのSIM2・Stealth・QI35シリーズのアイアン、ピンのi525、ミズノのJPX923 HM(Hot Metal)などが知られている(各モデルの詳細は各メーカー公式を参照)。
中空構造の主な利点は3つある。第一に、フェースを薄く設計できることでフェースのたわみ(COR)が大きくなり、スイートエリアの反発性能が向上する。第二に、内部を空洞にすることでヘッド外周部・ソール・トウ部分に余剰重量を配分できるため、重心を低く・深く配置しやすく、高いMOIを実現しやすい。第三に、空洞内に樹脂やフォームを充填することで打感・打音をコントロールできる。テーラーメイドは空洞内に「SpeedFoam」を充填してソフトな打感と打音を両立する設計を採用している(TaylorMade Japan公式製品情報より)。
中空構造は一枚板のブレード(マッスルバック)や単純なキャビティバックと異なり、フェースが別部品(フェースカップや薄肉フェース)として溶接される製法が多い。これにより、フェース素材とボディ素材を別々に選択・最適化できるという設計自由度が生まれる。ただし、接合部の溶接・接着品質が性能・耐久性に直接影響するため、製造精度が重要になる。また、中空構造かどうかはモデルによって異なり、同じシリーズ内でも番手によって構造が異なる場合がある(7番以上は中空、ショートアイアンはキャビティ構造を採用するケースが多い)。購入時はメーカー公式のスペック情報で個別に確認することが基本だ。
RELATED TERMS ─ 関連用語
MOI(慣性モーメント)
ヘッドが「ねじれにくさ」を表す物理量。大きいほどミスヒット時のヘッドブレが少ない。
COR(反発係数)
ボールが衝突して跳ね返る勢いを、衝突前の勢いで割った数値。1に近いほど反発が大きい。
VFT(可変肉厚)
フェースの厚みを場所によって変える設計。中央を薄く、周辺を厚くする。
鍛造
金属の塊を型に入れてプレスや打撃で成形する製法。内部組織が緻密になり、軟鉄アイアンの「やわらかい打感」の根拠になる。
鋳造
金属を溶かして型に流し込み、冷やして固める製法。複雑な形状を安定して大量生産できるため、ステンレス製キャビティバックアイアンの主流製法。
アンダーカットキャビティ
キャビティバックのソール内側(フェース背面下部)をさらに削り込んだ構造。フェース下部の肉を薄くすることで重心を下げ、たわみを調整する設計手法のひとつ。
RELATED MATERIALS ─ この用語が登場する素材