CATEGORY 01
素材・材料科学
道具に使われる素材の正体を、物性データと使用根拠から知る。 「なぜこの素材なのか」を、メーカーのカタログを超えた視点で解説します。
MATERIALS / 6
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マレージング鋼
Maraging Steelなぜ「飛ぶアイアン」のフェースに使われるのか
引張強度1,900 MPa(一般鋼の4.6倍)の超高強度合金。フェースを薄肉化してもひび割れず、大きく撓んでCORを最大化する。冷戦期に米国がミサイル外殻向けに開発した素材。
アイアンフェースディスタンス系フェースインサート
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カーボン繊維(CFRP)
Carbon Fiber Reinforced Polymerなぜドライバークラウンとシャフトに使われるのか
炭素繊維をエポキシ樹脂で固めた複合材。密度は鉄の約1/5、なのに鋼を上回る引張強度(3,500 MPa)。クラウン薄肉化で生まれた余剰重量がタングステン錘の自由配置を可能にする。
ドライバークラウンドライバーシャフトハイブリッド
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チタン合金(Ti-6Al-4V)
Titanium Alloyなぜドライバーボディの主役なのか
鉄の約56%の重量で同等以上の強度を実現する軽量金属。460ccヘッドの規制上限が成立する根拠。Al 6%・V 4%添加のα-β型合金で、自己形成する酸化膜により海水でもほぼ錆びない。
ドライバーボディフェアウェイウッドハイブリッド
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タングステン合金
Tungsten (W) Heavy Alloyなぜ重心設計に欠かせないのか
密度19.3 g/cm³(鉄の約2.5倍)の最重量級金属。粉末冶金で焼結したW90%+NiFe10%の重合金として、ヘッド後方やヒール・トウに少量埋め込み、重心とMOIを最適化する。
ヘッド後方ウェイトヒール・トウバランサー可動ウェイト
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軟鉄(低炭素鋼)
Low Carbon Steelなぜプロは弱い軟鉄のアイアンを選ぶのか
炭素0.2%前後のシンプルな鋼(S20C/S25C)。引張強度はマレージング鋼の1/4だが、鍛造で結晶を緻密化することで「打感」が生まれる。ロフト・ライ角の後付け調整も可能。
鍛造アイアンウェッジプロモデル
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17-4 PH ステンレス
17-4 Precipitation Hardening Stainless Steelなぜキャビティバックアイアンの定番なのか
クロム17%・ニッケル4%・銅4%の析出硬化系ステンレス。鋳造で複雑形状を量産でき、後処理(時効)で強度を1,310 MPaまで上げられる中庸の高性能素材。耐食性も高い。
鋳造アイアンキャビティバック量産モデル