ゴルフのしくみ

MATERIAL SPEC / CFRP T800-CLASS

カーボン繊維(CFRP)

Carbon Fiber Reinforced Polymer

炭素繊維をエポキシ樹脂で固めた複合材料。「軽くて強い」を極限まで突き詰めた素材で、宇宙ロケット・F1マシンからゴルフのドライバークラウン・シャフトまで広く採用される。

TENSILE STRENGTH ─ 引張強度(繊維方向)

3,500MPa

マレージング鋼(1,900 MPa)を上回る強度。しかも密度は鉄の約1/5

MPa/メガパスカル。素材を引っ張ったときの「強さ」を表す単位。

↑ 大きい強い。薄く削っても切れない=フェースを薄くして飛ばせる。

↓ 小さい弱い。同じことをすると簡単にひび割れる。

軟鉄 S20C一般構造用炭素鋼
410
アルミ合金 A7075航空機構造材
570
チタン Ti-6Al-4Vドライバーボディ
950
マレージング鋼 C-300アイアンフェース
1,900
CFRP T800クラスドライバークラウン・シャフト
3,500

単位:MPa(メガパスカル)/繊維方向の引張強度

COMPOSITION ─ 複合材構成(体積比)

炭素繊維
エポキシ
微小空隙
2%ボイド(空隙)

※ T800系プリプレグ積層板の代表値

KEY PROPERTIES ─ 主要物性

密度

1.6g/cm³

鉄の約1/5の軽さ

比強度

2,200MPa·cm³/g

一般鋼の約42倍

ヤング率

230GPa

繊維方向(軸方向)

使用温度上限

180

エポキシ樹脂の耐熱限界

WHY USE IT IN GOLF ─ なぜゴルフクラブに使われるのか

01

クラウンの極限薄肉化

ドライバークラウンを0.4mm前後で成形可能。チタン比で約45%軽量化し、生まれた余剰重量をタングステン錘へ転用して重心を最適化する。

02

軽量化と振動減衰

シャフトはスチール比で30〜40%軽量。さらに繊維間の微小な摩擦で打球時の不快な振動を吸収し、心地よい打感を生む。

03

形状の自由度

プリプレグを多層に積み上げて成形するため、複雑な3次元曲面を一体形成できる。繊維の向き・枚数で剛性も自在に設計可能。

UNIT GLOSSARY ─ このページで使った単位

数値が大きいほど・小さいほど何が変わるかを、中学校の理科レベルで噛み砕きます。

MPa

メガパスカル。素材を引っ張ったときの「強さ」を表す単位。

↑ 大きい強い。薄く削っても切れない=フェースを薄くして飛ばせる。

↓ 小さい弱い。同じことをすると簡単にひび割れる。

EXペットボトルのキャップ ≈ 30/一般鋼 410/マレージング鋼 1,900

g/cm³

1cm³(角砂糖1個分の体積)あたりの重さ。素材の「重さの度合い」。

↑ 大きい重い。同じ大きさでもズシリと感じる。

↓ 小さい軽い。同じ大きさでも持ち上げやすい。

EX水 1.0/人体 0.95/鉄 7.85/タングステン 19.3(地上で最も重い金属の一つ)

MPa·cm³/g

比強度=強度÷密度。「軽さの割に強いか」を表す指標。

↑ 大きい軽くて強い。同じ重さの他素材より頑丈。

↓ 小さい重い割に弱い。

EX一般鋼 52/チタン 215/カーボン繊維 2,200(鋼の約42倍)

GPa

ギガパスカル(=1,000 MPa)。素材の「硬さ(変形のしにくさ)」を表す単位。ヤング率に使う。

↑ 大きい硬い。力を加えても変形しない・しならない。

↓ 小さい柔らかい。同じ力でしなる・たわむ。

EXゴム ≈ 0.01/木材 10/鉄 200/ダイヤモンド 1,000

セ氏温度。「素材が溶ける温度(融点)」や「使用上限温度」を表す。

↑ 大きいより高温まで耐える。鍛造・成形の選択肢が広がる。

↓ 小さい低温で溶ける/劣化する。使える環境が限られる。

EXエポキシ樹脂 180(CFRPの上限)/鉄 1,538/タングステン 3,422(金属で最高)

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