ゴルフのしくみ

MATERIAL SPEC / 17-4 PH (H900 CONDITION)

17-4 PH ステンレス

17-4 Precipitation Hardening Stainless Steel

クロム17%・ニッケル4%・銅4%を含む析出硬化系ステンレス。「鋳造で量産でき、後処理で強度UPできる」中庸の高性能素材で、 キャビティバックアイアンの定番。マレージング鋼と軟鉄の中間を埋める。

TENSILE STRENGTH ─ 引張強度(H900熱処理後)

1,310MPa

軟鉄の約3.2倍。鋳造で複雑形状を量産できる高強度素材。

MPa/メガパスカル。素材を引っ張ったときの「強さ」を表す単位。

↑ 大きい強い。薄く削っても切れない=フェースを薄くして飛ばせる。

↓ 小さい弱い。同じことをすると簡単にひび割れる。

TENSILE STRENGTH ─ 引張強度比較

軟鉄 S20C鍛造アイアン
410
アルミ合金 A7075航空機構造材
570
チタン Ti-6Al-4Vドライバーボディ
950
17-4 PH ステンレス鋳造アイアン・量産モデル
1,310
マレージング鋼飛ぶアイアンのフェース
1,900

単位:MPa

CHEMICAL COMPOSITION ─ 化学組成

Fe
75%ベース母材
Cr
クロム
Ni
ニッケル
4%靭性・耐食性

※ 名前の「17-4」は Cr 17% / Ni 4% に由来。「PH」はPrecipitation Hardening

KEY PROPERTIES ─ 主要物性

引張強度

1,310MPa

H900熱処理後(480℃時効)

硬度

44HRC

軟鉄より遥かに硬い

密度

7.78g/cm³

鉄とほぼ同じ

耐食性

海水でもほぼ錆びない

WHY USE IT IN GOLF ─ なぜキャビティバックの定番なのか

01

ロストワックス鋳造

複雑な3次元形状(キャビティ、ソール段差、ヒール・トウの肉厚配分)を一発で量産できる。鍛造軟鉄では再現困難な形状自由度。

02

後付けで強度を上げられる

鋳造後に480〜620℃で時効処理(H900〜H1150)することで、銅の析出により強度を任意に調整可能。マレージング鋼と同じ強化原理。

03

耐食性と量産性の両立

クロム17%が不動態膜を形成して錆びを抑える。汗・雨・海風に強く、メンテ要らずで量販モデルに最適。

UNIT GLOSSARY ─ このページで使った単位

数値が大きいほど・小さいほど何が変わるかを、中学校の理科レベルで噛み砕きます。

MPa

メガパスカル。素材を引っ張ったときの「強さ」を表す単位。

↑ 大きい強い。薄く削っても切れない=フェースを薄くして飛ばせる。

↓ 小さい弱い。同じことをすると簡単にひび割れる。

EXペットボトルのキャップ ≈ 30/一般鋼 410/マレージング鋼 1,900

HRC

ロックウェル硬度Cスケール。素材の表面の硬さを表す数値。

↑ 大きい硬い。傷がつきにくく、削れにくい。だが脆くなる傾向。

↓ 小さい柔らかい。曲げて形を変える加工がしやすい。

EX鍛造アイアン(軟鉄)≈ 30/包丁の刃 54/ヤスリ 65

g/cm³

1cm³(角砂糖1個分の体積)あたりの重さ。素材の「重さの度合い」。

↑ 大きい重い。同じ大きさでもズシリと感じる。

↓ 小さい軽い。同じ大きさでも持ち上げやすい。

EX水 1.0/人体 0.95/鉄 7.85/タングステン 19.3(地上で最も重い金属の一つ)

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