GLOSSARY / 金属組織・強化
不動態膜
Passive Film金属の表面に自然にできる、目に見えないほど薄い保護膜。
クロム・チタン・アルミなどは、空気に触れると瞬時に表面が酸素と結びつき、ナノメートル単位の極薄い酸化膜を形成する。この膜が金属本体と外界(水・酸素・塩分)を遮断するため、内部の腐食を防いでくれる。これが不動態膜。
ステンレス鋼のクロム17%は、まさにこの保護膜を作るための量。チタン合金が海水中でもほぼ錆びないのも同じ原理。万一傷ついても、空気に触れた瞬間に再生する。
ゴルフクラブの耐食性を決定づける、目立たないが本質的な現象。
RELATED TERMS ─ 関連用語
ステンレス鋼
鉄にクロムを11%以上添加した合金の総称。クロムが表面に不動態膜を形成することで耐食性を持つ。ゴルフクラブには複数のグレードが使われており、性質は大きく異なる。
17-4PHステンレス
クロム17%・ニッケル4%・銅4%を含む析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼。JIS規格ではSUS630相当。時効処理(エイジング)によって高強度化し、アイアン・ウェッジの鋳造ヘッド材に広く使われる。
431ステンレス
クロム15〜17%・ニッケル1.25〜2.5%を含むマルテンサイト系ステンレス鋼。焼入れ・焼戻しでHRC40〜44程度に硬化できる。鋳造アイアン・ウェッジのボディ材として使われることがある。17-4PHとは強化機構・成分が異なる別グレード。
RELATED MATERIALS ─ この用語が登場する素材