GLOSSARY / 金属組織・強化
431ステンレス
Type 431 Stainless Steelクロム15〜17%・ニッケル1.25〜2.5%を含むマルテンサイト系ステンレス鋼。焼入れ・焼戻しでHRC40〜44程度に硬化できる。鋳造アイアン・ウェッジのボディ材として使われることがある。17-4PHとは強化機構・成分が異なる別グレード。
431ステンレス(JIS:SUS431、ASTM:Type 431)は、クロム(Cr)15〜17%・ニッケル(Ni)1.25〜2.5%を含むマルテンサイト系ステンレス鋼です。17-4PH(SUS630)と同じ「マルテンサイト系」に分類されますが、組成・強化機構が大きく異なります。431は焼入れ・焼戻し(quench & temper)によって硬度を調整するタイプで、17-4PHのような析出硬化機構は持ちません。
431の硬度はおよそHRC40〜44程度(焼入れ・焼戻し条件による)とされます。17-4PH(H900条件でHRC44〜47程度)と比べると最大硬度はやや低くなりますが、耐食性と機械加工性のバランスが取れた素材とされています。「431は古い」「431は劣っている」という評価は正確ではなく、用途に応じた素材選択の結果として使われています。
ゴルフクラブにおける431ステンレスの主な用途は、鋳造アイアン・ウェッジのヘッドボディとされています。17-4PHよりも組成がシンプルで価格が抑えられる傾向があるため、量産モデルのコスト設計に適している場合があります。ただし実際の素材選択はメーカー・モデルによって異なり、「このモデルは431を使用している」と断言できる情報はメーカー公式資料で確認する必要があります。
打感について「431だから打感が硬い」という断定は正確ではありません。打感はヘッドの素材だけでなく、形状(キャビティの深さ・肉厚)・ボール種類・シャフト・インパクト位置など多くの要因によって変わります。素材の硬度は打感を構成する要因のひとつですが、それだけで打感を決めるものではありません。
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