GLOSSARY / 金属組織・強化
マルテンサイト
Martensite鋼を急冷したときに現れる「硬い結晶構造」のこと。
鉄に炭素を溶かし込んで赤く熱した後、水や油で一気に冷やすと、結晶の並びが急変して非常に硬い構造になる。これがマルテンサイト。包丁の刃がスパッと切れるのは、この組織のおかげ。
ただし普通のマルテンサイトは硬い反面、もろくなる弱点がある。「飛ぶアイアン」のフェース材であるマレージング鋼は、この弱点を時効処理での析出強化で克服している。
マルテンサイト形成は鋼を強くする最もメジャーな方法で、軟鉄の炭素鋼から特殊鋼まで広く使われる。
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ステンレス鋼
鉄にクロムを11%以上添加した合金の総称。クロムが表面に不動態膜を形成することで耐食性を持つ。ゴルフクラブには複数のグレードが使われており、性質は大きく異なる。
17-4PHステンレス
クロム17%・ニッケル4%・銅4%を含む析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼。JIS規格ではSUS630相当。時効処理(エイジング)によって高強度化し、アイアン・ウェッジの鋳造ヘッド材に広く使われる。
431ステンレス
クロム15〜17%・ニッケル1.25〜2.5%を含むマルテンサイト系ステンレス鋼。焼入れ・焼戻しでHRC40〜44程度に硬化できる。鋳造アイアン・ウェッジのボディ材として使われることがある。17-4PHとは強化機構・成分が異なる別グレード。
マレージング鋼
マルテンサイト時効鋼(MArtensitic + AGING = maraging)。低炭素・高ニッケル系の析出硬化型鋼で、ステンレス鋼とは別の鋼種。時効処理によりNi₃MoやNi₃Ti等の金属間化合物が析出して高強度化する。ゴルフでは薄肉フェース設計に活用されることがある。