GLOSSARY / 金属組織・強化
時効処理
Aging Treatment金属を比較的低い温度で長時間加熱し、結晶内に小さな粒を生じさせて強度を上げる工程。
高温で元素を均一に溶かし込んだ状態(過飽和固溶体)から、適切な温度で長時間保つと、結晶の中に小さな粒が少しずつ析出してくる。この処理を時効(aging)と呼ぶ。「時間とともに効果が出る」という名の通り。
マレージング鋼の場合、約480℃で3〜6時間保持すると、Ni₃MoやNi₃Tiといった粒が析出して引張強度1,900 MPaに到達する。普通鋼の焼入れと違い、変形・歪みがほとんど出ないのが利点。
17-4PHステンレスでは482〜621℃の範囲で時効処理し、温度によって強度を調整する(H900・H1025・H1150など)。
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マルテンサイト
鋼を急冷したときに現れる「硬い結晶構造」のこと。
ステンレス鋼
鉄にクロムを11%以上添加した合金の総称。クロムが表面に不動態膜を形成することで耐食性を持つ。ゴルフクラブには複数のグレードが使われており、性質は大きく異なる。
17-4PHステンレス
クロム17%・ニッケル4%・銅4%を含む析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼。JIS規格ではSUS630相当。時効処理(エイジング)によって高強度化し、アイアン・ウェッジの鋳造ヘッド材に広く使われる。
マレージング鋼
マルテンサイト時効鋼(MArtensitic + AGING = maraging)。低炭素・高ニッケル系の析出硬化型鋼で、ステンレス鋼とは別の鋼種。時効処理によりNi₃MoやNi₃Ti等の金属間化合物が析出して高強度化する。ゴルフでは薄肉フェース設計に活用されることがある。