ゴルフのしくみ

GLOSSARY / 金属組織・強化

Ti-6Al-4V(チタン合金)

Ti-6Al-4V Titanium Alloy

アルミニウム6%・バナジウム4%を添加したα-β型チタン合金(Grade 5)。密度約4.43 g/cm³・引張強度950 MPa前後。ドライバー・フェアウェイウッドのヘッド素材として広く使われるが、すべてのチタン製クラブに使われているわけではない。

Ti-6Al-4V(チタン六-四合金)とは、純チタンにアルミニウム(Al)を6%・バナジウム(V)を4%添加したチタン合金で、ASTM規格ではGrade 5に分類されます。Alはα相を安定化させ、Vはβ相を安定化させるため、常温でα相とβ相が共存する「α-β型合金」になります(α相・β相の詳細は関連項目「α相・β相」を参照)。

Ti-6Al-4Vの密度は約4.43 g/cm³で、鉄(7.8 g/cm³)より約43%軽く、純チタン(4.5 g/cm³)とほぼ同等です。引張強度はアニール状態で約930〜950 MPa程度とされますが、固溶化処理+時効によって1,100 MPa超まで高めることも可能です。比強度(強度÷密度)が高いことが、ドライバーヘッドへの採用理由のひとつとされています。ただし「Grade 5=強い=飛ぶ」という因果関係は正確ではなく、素材の強度はヘッド形状・フェース設計・重心設計との組み合わせの中で評価されるべきです。

ゴルフクラブにおけるTi-6Al-4Vの主な用途は、ドライバー・フェアウェイウッドのヘッドボディです。軽量・高強度という特性を活かして大型ヘッドを規定重量内に収める設計に対応できます。ただし、すべてのチタン製ドライバーがTi-6Al-4Vを使用しているわけではありません。DAT55G(Ti-5Al-1Fe合金)・SP-700(Ti-4.5Al-3V-2Fe-2Mo)など、メーカー独自の高強度チタン合金が使われるモデルもあります。カタログに「チタン」とだけ記載されている場合は合金の種類が不明なことも多く、詳細はメーカー技術情報で確認する必要があります。

加工の面では、Ti-6Al-4Vは鋳造と鍛造の両方が可能ですが、チタン合金の鋳造は真空環境が必要で設備コストが高くなります。また熱伝導率が低く切削加工中の熱が刃具に集中するため、加工が難しい素材でもあります。これらの製造上の制約が、チタン製クラブの価格に反映されることがあります。

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