GLOSSARY / 製法
スピンミルドグルーブ
Spin Milled Groovesボーケイ・デザインが用いる特許取得済みの溝加工。製造精度を高めて溝体積を確保し、スピンを安定させる。SM11ではSM10比で溝体積が5%拡大した。
タイトリストの公式ニュースリリース(2026年1月23日・SM11)は「SM11のスピンミルドグルーブは製造精度を高めたことで溝体積がSM10比で5%拡大」とし、その効果を「ラフやウェットな状況下でもデブリの排出性が向上し、安定したスピン性能を発揮します」と説明している。ひとつ前の世代のニュースリリース(2024年1月23日・SM10)では「特許取得済みのスピンミルド加工と溝間のマイクロテクスチャーにより、スピン性能を最大化」と記され、特許取得済みの加工であることが公式に示されている。
SM11では溝形状そのものがロフト別に3種類へ分けられている。公式によればピッチング/ギャップウェッジ(44°〜52°)は「深く狭い溝」でフルショット時の安定したスピンを確保、サンドウェッジ(54°〜56°)は「両者の中間設計」でフルショット・アプローチ双方に対応、ロブウェッジ(58°〜60°)は「広く浅い溝」でグリーン周りやコントロールショット時に砂や芝、水分を効率よく排出する。スピンミルドグルーブは、この形状違いを設計どおりに削り出すための加工精度の側を指す名称である。
注意したいのは、溝体積の拡大が規則の枠外へ出ることを意味しない点である。公式はSM10の説明で「100%検品を行いルール適合内で最高のパフォーマンスを約束します」と述べており、拡大はあくまで許容公差の内側で精度を上げた結果として説明されている。溝幅・溝深さ・溝間隔といった具体的な寸法、および特許番号は公表されていない(undisclosed)。
RELATED TERMS ─ 関連用語
マイクロマックス・グルーヴ
番手ごとに最適化したフェース溝設計で、あらゆる状況で最適なスピン量と飛距離コントロールを狙うPINGの溝技術。
番手別溝設計
アイアンで番手ごとに溝(グルーヴ)の幅・深さ・本数を変え、各番手に最適なスピンを与える設計思想。ロングは飛距離、ショートはスピン安定を狙う。
CNCミリング
コンピュータ制御(CNC:Computer Numerical Control)によって工作機械を動かし、金属などの素材を削り出して形状を作る加工方法。鍛造・鋳造とは目的・工程が異なる製造方法であり、「CNC=高品質」「CNCは鍛造より上」のような単純な優劣判断は正確ではない。
バックスピン
ボールの後ろ向きの回転。揚力(マグヌス効果)を生みボールを浮かせる。計測上はスピンレート(スピン量)が主にこれを示す。多すぎると吹け上がり飛距離をロスする。
用具規則
R&AとUSGAが共同で発行する、ゴルフ用具の適合要件を定めた規則文書の通称。クラブ・ボールの形状・寸法・性能に関する技術的な基準が定められており、JGAはこれに準拠する立場をとる。