GLOSSARY / 製法
高周波熱処理
Induction Heat Treatmentウェッジの溝(スコアライン)の打点エリアに高周波で局所的な熱処理を施し、溝エッジの摩耗を抑える表面強化。ボーケイは未処理比で約2倍の耐久性としている。
タイトリストの公式ニュースリリース(2026年1月23日・ボーケイ・デザイン SM11)は「すべてのウェッジ溝は、使用するたびに摩耗していきます」とした上で、「高周波熱処理をスコアラインの打点エリアに直接施すことで、未処理の溝に比べ約2倍の耐久性を実現」と説明している。R&Dウェッジ開発ディレクターのケビン・タシストロ氏のコメントとして「熱処理はスコアライン部分、つまりインパクトエリアに直接行われます」と、施工範囲が打点部に限定されることも明記されている。ヘッド全体を焼き入れる処理ではない点が公式説明の要点。
SM11で新設された技術ではない。ひとつ前の世代であるSM10のニュースリリース(2024年1月23日)にも「打球エリアに特殊な熱処理を施すことで耐久性を2倍に向上」とあり、少なくとも2世代にわたって継続している溝の耐久対策である。あわせて公式は、SM11のすべてのスコアラインを「100%全数検査によって最高水準の品質と公差管理を保証」しているとしており、熱処理は寸法検査と組み合わせて運用される工程であることが読み取れる。
読み手にとっての実務的な意味は「摩耗が遅くなる」であって「摩耗しなくなる」ではない。公式が示している数値は未処理との比較で約2倍という相対値のみで、何ラウンドで交換すべきかという基準、処理温度・硬度・処理深さといった条件はいずれも公表されていない(undisclosed)。なお溝の寸法そのものが競技規則の対象である点は本項の範囲外で、適合の判定は用具規則の側で確認すること。
RELATED TERMS ─ 関連用語
マイクロマックス・グルーヴ
番手ごとに最適化したフェース溝設計で、あらゆる状況で最適なスピン量と飛距離コントロールを狙うPINGの溝技術。
番手別溝設計
アイアンで番手ごとに溝(グルーヴ)の幅・深さ・本数を変え、各番手に最適なスピンを与える設計思想。ロングは飛距離、ショートはスピン安定を狙う。
スピン量
ボールの回転速度(単位:RPM=毎分回転数)。主にバックスピン量として扱われる。ドライバー・アイアン・ウェッジで求められるスピン量は大きく異なり、単純に多い・少ないで良し悪しは決まらない。
硬度
素材の表面の「変形しにくさ・傷つきにくさ」を表す指標。
用具規則
R&AとUSGAが共同で発行する、ゴルフ用具の適合要件を定めた規則文書の通称。クラブ・ボールの形状・寸法・性能に関する技術的な基準が定められており、JGAはこれに準拠する立場をとる。