GLOSSARY / 製法
ディレクショナル・フェース・テクスチャー
Directional Face Texture溝の間のフェース面に向きを持たせた微細加工を施し、摩擦を高めてスピンを安定させるボーケイSM11の新技術。
ディレクショナル・フェース・テクスチャーは、タイトリストがボーケイ・デザイン SM11ウェッジ(2026年)で新たに導入したフェース表面加工。公式ニュースリリース(2026年1月23日)は「摩擦を高め、ボールとの接触時間を長くすることで、グリーン周りでのスピンコントロールをより安定化」させるとし、「テクスチャーはリーディングエッジ方向に傾けて配置されており、溝エッジの保護と一貫したスコアライン品質を維持します」と説明している。名称の「ディレクショナル(方向性のある)」は、この傾けた配置を指す。
発想の要点は、規則で寸法が制限される溝(グルーブ)そのものではなく、溝と溝の間の面を加工して摩擦を稼ぐ点にある。同じ方向の考え方はダンロップがウッドで用いるフェースレーザーミーリングにも見られるが、ウェッジ用であることと、加工に向きを持たせて溝エッジの保護まで担わせる点が本技術の特徴として説明されている。SM11ではこの加工に加えて、ショットタイプ別に3種類の溝形状を採用し、スピンミルドグルーブの製造精度向上で溝体積をSM10比5%拡大したとしている。
留保事項(2026-08-24時点)。テクスチャーの深さ・ピッチ・傾斜角・摩擦係数はいずれも非公表(undisclosed)で、スピン量の向上幅の数値提示もない。「溝体積5%拡大」はSM10との比較値、また同リリースが記載する「高周波熱処理をスコアラインの打点エリアに直接施すことで未処理の溝に比べ約2倍の耐久性」もSM11に対する公式値であり、いずれも他モデルへ一般化しないこと。溝は用具規則の対象であり、規則適合の判断は本項の範囲外(equipment-rules を参照)。
RELATED TERMS ─ 関連用語
フェースレーザーミーリング
レーザーでフェース面に微細加工を施す表面処理。フェースが濡れた状態などの悪条件でもボールの食いつきを保ち、スピンを安定させる目的で使われる。
番手別溝設計
アイアンで番手ごとに溝(グルーヴ)の幅・深さ・本数を変え、各番手に最適なスピンを与える設計思想。ロングは飛距離、ショートはスピン安定を狙う。
バックスピン
ボールの後ろ向きの回転。揚力(マグヌス効果)を生みボールを浮かせる。計測上はスピンレート(スピン量)が主にこれを示す。多すぎると吹け上がり飛距離をロスする。
スピン量
ボールの回転速度(単位:RPM=毎分回転数)。主にバックスピン量として扱われる。ドライバー・アイアン・ウェッジで求められるスピン量は大きく異なり、単純に多い・少ないで良し悪しは決まらない。
用具規則
R&AとUSGAが共同で発行する、ゴルフ用具の適合要件を定めた規則文書の通称。クラブ・ボールの形状・寸法・性能に関する技術的な基準が定められており、JGAはこれに準拠する立場をとる。