GLOSSARY / クラブ構造
コアテックフェース
CORTECH Faceフェースの肉厚配分でたわみを増幅させるミズノ独自の可変肉厚設計の呼称。どこをどれだけ厚く/薄くするかは世代ごとに変わり、公式が示す比較対象は自社の既存モデル(ST-Z 230やST-MAX 230)である。
ミズノの公式ニュースリリース(2024年2月6日・ST-MAX 230)は、コアテックフェースを「フェース部は、中心部を厚く、周辺部をより薄くし、フェースのたわみを増幅させるミズノ独自のフェース肉厚設計」と定義している。ST-MAX 230では素材に鍛造の『フォージド Ti-LFS』を採用し、その結果としてST-Z 230に比べて約37%高いスイートエリア値になったと公式は説明する。つまりコアテックフェースは特定の素材名ではなく、肉厚の配分そのものを指す設計名称である。
ST-MAX 230の『中心部を厚く』は周辺部との相対配分を指し、JPX ONEの『中心部を薄く』は前作との比較を指す。基準が違うため両者は矛盾しない。世代ごとに「どこをどれだけ薄くするか」が変わる相対的な設計であることに注意が要る。JPX ONEの公式ニュースリリース(2026年1月29日)では、ドライバーについて「土台となる鍛造チタンフェースには、前作(ST-MAX 230)より薄肉化した新たな『コアテックフェース』を採用し、『NANOALLOY®フェース』の効果を高めるための設計」とされ、フェアウエーウッドについては「『ST-MAX 230』フェアウエーウッドと比較して中心部の肉厚を薄く設計することでたわみを増幅」と説明されている。JPX ONEでの比較対象は、いずれも前作のST-MAX 230である。
読み手向けの補足として、JPX ONEのドライバーではコアテックフェースは単体で完結していない。公式が示すのは、鍛造チタンフェースを土台にした上に『NANOALLOY®フェース』を載せる二層構成であり、コアテックフェースはその土台側にあたる。肉厚の実数値(mm)や反発係数は公表されていない(undisclosed)。なお素材面ではJPX ONEドライバーのフェース部はα-β系チタン合金(Ti-6Al-4V)鍛造と公式スペック表に記載されている。
RELATED TERMS ─ 関連用語
COR(反発係数)
ボールが衝突して跳ね返る勢いを、衝突前の勢いで割った数値。1に近いほど反発が大きい。
スプリングライクエフェクト
ゴルフクラブのフェースがインパクト時にばねのように撓み、弾き返す現象を指す概念。R&AとUSGAの用具規則(Equipment Rules)はこの現象に関して規制を設けており、その評価には別途定められた測定・判定の概念が用いられる。
フェースカップ
フェース周縁まで一体的に設計した構造を指す一般概念のひとつ。フェース周辺のたわみ方を設計する考え方として複数のメーカーが採用しているが、名称・構造・設計意図はメーカーごとに異なる。
弾性変形
力を加えると変形し、力を取り除くと元の形状に戻る変形のこと。シャフトの「しなり」はこの弾性変形に相当する。
Ti-6Al-4V(チタン合金)
アルミニウム6%・バナジウム4%を添加したα-β型チタン合金(Grade 5)。密度約4.43 g/cm³・引張強度950 MPa前後。ドライバー・フェアウェイウッドのヘッド素材として広く使われるが、すべてのチタン製クラブに使われているわけではない。
VFT(可変肉厚)
フェースの厚みを場所によって変える設計。中央を薄く、周辺を厚くする。
ナノアロイ®フェース
東レのナノアロイ®技術を応用した樹脂をチタンフェースの上に重ねる、ミズノのドライバー用フェース構造。