GLOSSARY / 樹脂・高分子
ナノアロイ®フェース
NANOALLOY Face東レのナノアロイ®技術を応用した樹脂をチタンフェースの上に重ねる、ミズノのドライバー用フェース構造。
ナノアロイ®フェースは、ミズノがJPX ONE/JPX ONE SELECTドライバー(2026年3月6日発売)に搭載したフェース構造。ミズノのニュースリリース(2026年1月29日)は「東レ株式会社が開発した独自技術『NANOALLOY®』を、世界で初めてゴルフクラブのヘッド(フェース)に採用」とし、「チタンフェースの上に搭載した厚さ0.4mmの『NANOALLOY®フェース』は、チタンフェースがインパクト時に局所的に変形するのに対し、その素材特性によってフェース全体が大きくたわみます」と説明している。フェース側が変形することでボール側の変形が抑えられ、エネルギーロスが小さくなることで「ミズノ史上最高のボール初速」(ミズノ調べ)を実現したというのが公式の説明である。
土台となる技術のナノアロイ®は、東レ公式サイトが「複数のポリマーをナノメートルオーダーで微分散させることで、従来材料と比較して飛躍的な特性向上を発現させることができる当社独自の革新的微細構造制御技術」と定義しているポリマーアロイ技術で、東レは基本特許・主要な製造特許・用途特許を保有すると明記している。ミズノ側は、この樹脂が「衝撃を与えると柔らかくなる」特性を持ち、すでに同社のソフトボールバットやテニスラケットに採用されていること、そして「ボールが変形しすぎるとエネルギーロスになる」という軟式野球用バット研究の知見と掛け合わせてゴルフ用に開発したことを公表している。チタンでもカーボンでもない樹脂をフェース最表層に置く点が、既存のカーボンフェースやチタンフェースとの構造上の違いになる。
留保事項(2026-08-24時点)。搭載はJPX ONE/JPX ONE SELECTの「ドライバー」のみで、同シリーズのフェアウェイウッド・ユーティリティには非搭載であることを公式が注記している。厚さ0.4mmはこのモデル固有の公表値であり、他モデル・他年式に一般化できない。初速は「ミズノ史上最高(ミズノ調べ)」という相対表現のみで、実測値・比較条件・反発係数は非公表(undisclosed)。またJPX ONE製品ページには「特許出願中」の記載がある。
RELATED TERMS ─ 関連用語
フェース素材
ゴルフクラブのフェース部分に使われる素材全般。チタン系・ステンレス系・マレージング鋼・複合材系など複数の素材カテゴリがあり、強度・重量・加工性・コストの特性がそれぞれ異なる。素材が変わると設計の選択肢が変わるが、素材単独でパフォーマンスが決まるわけではない。
ポリマー(高分子)
同じ小さな分子(モノマー)が長い鎖のように繰り返しつながった、巨大な分子のこと。
チタン
低密度・高耐食性・高比強度を持つ金属。ゴルフクラブでは主にドライバーヘッドの素材として使われるが、純チタンとチタン合金では性質が大きく異なる。
ボール初速
インパクト直後にボールが飛び出す速度(単位:m/s)。スマッシュファクター(ミート率)の分子にあたり、飛距離と関係する計測値のひとつ。高ければ必ず飛ぶわけではなく、打ち出し角・スピン量との組み合わせで弾道全体が決まる。
COR(反発係数)
ボールが衝突して跳ね返る勢いを、衝突前の勢いで割った数値。1に近いほど反発が大きい。