GLOSSARY / 複合材
CFRP(炭素繊維強化樹脂)
Carbon Fiber Reinforced Polymer炭素繊維をエポキシ等の熱硬化性樹脂で固めた複合材料。炭素繊維単体とは別物であり、繊維と樹脂が一体化して初めて構造材料になる。比強度・比剛性が高く、ゴルフシャフト・クラウン・フェースに使われる。
CFRP(Carbon Fiber Reinforced Polymer)とは、炭素繊維(CF)を強化材として、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂(マトリックス)に含浸・硬化させた複合材料のことです。CFRPは炭素繊維と樹脂の2成分から構成されており、どちらが欠けても本来の性質を発揮しません。炭素繊維単体(フィラメント)は構造材料にならないため、炭素繊維とCFRPは別の概念です。
CFRPの主な特徴は、高い比強度(引張強度÷密度)と比剛性(弾性率÷密度)です。一般的なCFRPの密度は1.5〜1.8 g/cm³で、鉄(7.8 g/cm³)の約1/4〜1/5の軽さを持ちながら、引張強度は700〜1,500 MPa程度(積層方向・製法による)に達します。ただし「CFRPは軽くて強い」という単純な表現は、圧縮方向の弱さや繊維方向による異方性を無視した言い方になります。CFRP部材の強度は積層方向・繊維体積率・製法によって大きく変わります。
ゴルフクラブへのCFRP採用は、軽量化によって余剰重量を重心設計に転用する目的が主です。たとえばドライバーのクラウン(上面)をCFRPにすることで、同じ重量のままソールや外周部に重量を配置しやすくなります。ゴルフシャフトのほとんどはCFRP製(いわゆる「カーボンシャフト」)ですが、CFRPの特性はシャフトのキックポイント・トルク・重量設計と密接に関係しており、「CFRPだから飛ぶ」という素材起因の断定は正確ではありません。
CFRPの製造方法として、プリプレグ(炭素繊維に樹脂を含浸させたシート)を積層して加熱成形するオートクレーブ法、または樹脂を後から含浸させるRTM(樹脂トランスファー成形)などがあります。ゴルフシャフトの多くはフィラメントワインディング法またはロールラップ法で製造されます。製法の違いが繊維配向・空隙率・品質に影響するため、同じ「CFRP」でも製法によって性質は変わります。
RELATED TERMS ─ 関連用語
炭素繊維(カーボンファイバー)
アクリロニトリルなどを高温で炭化・黒鉛化した繊維。繊維単体では構造材にならず、エポキシ等の樹脂と組み合わせたCFRP(炭素繊維強化樹脂)として使われる。比強度・比弾性率が高いことが特徴。
プリプレグ
炭素繊維にエポキシ樹脂をあらかじめ含浸させた、半硬化シート状の材料。
エポキシ樹脂
熱硬化性樹脂の代表格。2液を混ぜて化学反応で硬化し、強い接着力と耐久性を発揮する。
ポリマー(高分子)
同じ小さな分子(モノマー)が長い鎖のように繰り返しつながった、巨大な分子のこと。
ヤング率
素材の「変形のしにくさ(剛さ)」を表す物理指標。単位は GPa。
比強度
引張強度を密度で割った「軽さに対する強さ」の指標。単位は MPa·cm³/g。
密度
1cm³(角砂糖1個分の体積)あたりの重さ。単位は g/cm³。